大学で、自分なりのリーダーシップ論を確立!
明星デザインでの4年間を振り返ると、楽しかったし、充実していました。正直に言うと、ここが第一志望ではなくて、一般入試で受験した学部がダメだったから、そういえば図工も好きだったなっていう理由で入学してしまった。でも、明星デザインでは、いろんな分野を目指す人と一緒に学べて、本当に視野も広がりました。ここで学んだからこそ気づけたこともたくさんあって、今では、行くべきところに行ったんだな、と、納得できる感じです。とくに成長したのは、グループワーク。1年のときからリーダーを任されることが多くて、それって自分だけやっていてもしょうがなくて、仲間のことも見て、うまくいかなかったらマメに連絡をとるとか、そうしないと課題も終わらないので。
リーダーシップというと、みんな行くぞと引っ張っていくイメージがありますけど、それでみんなついてこられるわけじゃないんですよ。だったら俺は一番後ろからみんなを見て調整役になろう、と。そんな試行錯誤をしていたら、市などの自治体から依頼された問題にグループで取り組む「企画表現5(統合)」のときには、全グループの統括を任されることになりました。ああ、こういう能力も評価されるんだ、と思いました。
入学してからでも見つけられる、自分の好きなこと
どのデザイン分野を極めるって決まっていなくても、入学してからいろいろコースが選択できるのも明星デザインの良いところだと思います。1年のころは、デザインのことなんてよくわかっていなかったし、基本はグラフィックコースを選択していました。課題に向き合ううちに、人に何かを見せる、ということに魅力を感じるようになっていきました。比較的昔から、映画館はよく行くほうだったし、今はネットで動画も見ますし、映像に触れている時間は長いほう。じゃあ、映像で見せたい、となると、グラフィックコースだけでは足りなくて、それからはメディアの授業も選択しました。
もし、自分が映像を制作する立場になったら、作品を鑑賞してほしいと思う。だけど、今は動画は消費されている、と感じます。たとえばサブスクなら倍速視聴をしてしまう。それだとストーリーが理解できるというだけで、作品に色がなくなって、いつか映画そのものが廃れてしまうんじゃないか。そんな危惧から、卒業研究では、映像制作手法のひとつであるメタファーを例に考察してみました。 やっぱり映像、好きなんですよね。就職も映像制作会社に行くことに決めました。
名前のついていない能力、その可能性
志望したのはバックオフィス。総務や人事など、会社の運営的なほうです。もちろん自分で制作をしたい、という気持ちがないわけじゃないです。動画をつくって人に届けるのは、すごく楽しいだろうな。ただ、就職活動をするために自己分析をして、自分の持っていたあやふやな能力を言葉にしてみたんです。一番楽しいのはつくること。でも楽しみながら自分にできるのはマネジメント系。言語化することによって、それが自分の強みになる。全体を見渡せて細かいことに気づける力は、きっとどんな現場でも求められるはず。意見をかわしつつ、衝突をさけつつ、いい方向にもっていくのは、得意なことのひとつですから。
高校までは、国語とか数学とか、科目に点数がつくと思うけど、明星デザインって、名前がついてないような能力を引き出してもらえる場所だな、と思います。自分でも気がついていなかった何かの才能。そこを伸ばすと、将来のいろんな選択肢が広がってくると思います。