デザインで、考える幅が広がった特別な4年間
高校のとき、進路はいろんな方面に興味があったんですけど、たまたま本屋で見かけたデザインの本に、ポスターだったらこう目が移るからこうレイアウトするっていう視線誘導の話が載っていて、それが衝撃的で。普段、何気なく見ていたボスターって、そんなに考えてつくられているんだ、デザインのことをもっと知りたい、と思いました。明星デザインでは、色や形を決めることにも理由があったり、問題解決のための仕組みを考える、そんなデザインを学べると知って、ここに入学を決めました。私は、子どものころからワークショップに参加するのが大好きでした。でも最近は、モノに触れる機会が減ってきたな、と感じています。昔なら触って遊べた展示物も「触れないでください」と書いてある。タブレット端末などが発展して、画面越しのコミュニケーションも増えました。視覚情報に頼りすぎている今、卒業研究では見ることを改めて触覚としてとらえる知育玩具を制作しました。⾃分が好きだなと思ったこととか、興味を持ってきたことを、デザインを通して考え直してみる。明星デザインは、そんなことができた特別な4年間でした。
明星デザインの代名詞は「デザイン=企画×表現」。1年生から学んできたことを学外で試してみたい、という気持ちもあって、僕は2年生の後半から半年くらい、他大学が主催していたクリエイティブ系の学生団体に参加していました。ミーティングでは、議事の進め方、整理して発言するとか、その力が出せました。足し算引き算の発想とか逆転の発想とか、思考法の勉強もしていたので、アイディアが煮詰まったときも打開できて、勉強してきたことが役立つな、という実感が持てました。
グループワークだからこそ得られた自信と実力
明星デザインの授業は、グループワークが多いことも特徴のひとつです。3年生の後期の「デザインプロジェクト」は、それまでで最大の10人近くのメンバーで、企画を最終的に実現させることを⽬標にしたグループワークの授業で、とくに印象に残っています。テーマは、自宅や教室以外の居場所となる「サードプレイス」をつくること。私たちのグループは、学部を超えて誰もが交流できる場の提案として、ラジオブースを学内につくりました。何人もの人が入れるようにつくったブースでは、SNSやYouTubeで公開することを前提に番組を企画して、公開収録にも挑戦しました。
実現するとなると、授業だけでは補えない知識も必要で、難しいことが次々とでてきます。また、メンバーの人数が多いので、リーダーを中心に、まわりもそれぞれが支えていかないと大変な部分もあります。でも3年生の後期ともなると、それぞれ得意分野で培ってきた力が発揮できて、自分たちでプロジェクトをやり遂げることができました。メンバーみんな、自信と達成感が得られた授業になったと思います。
何事にも興味を持ち、挑戦し続ける
卒業後は、⼤⼿の広告制作会社でデザイナーとして働きます。広告をつくって世の中に出すには、デザイナー1⼈の⼒だけではできません。デザイナーでもグラフィックデザイナーや web デザイナーもいるし、他にも営業やディレクター、コピーライター、エンジニア、その先にはそれらを印刷や制作する⼈、運営する⼈などもっとたくさんの⼈たちが関わっています。その中で⾃分には何ができるかを常に考えながら、⼤学でのグループワークで得た経験を⽣かしつつ、⾃分にしかできない仕事ができるよう頑張りたいです。
社会⼈として、デザイナーとして、未熟な部分しかないですけど、だからこそ知らないことにも興味を持って積極的に挑戦していきたいとも思っています。デザインってその分野だけの知識だけがあっても何もできないと思っていて、さまざまな⾓度から⾒たり全く関係のない分野から捉えたりすることがいいデザインにつながるんじゃないかと。⾃分で調べるだけじゃなくて、⼈の話を聞いたり⾃分で体験したりして⾃分の世界を広げていきたいです。これから社会に出て、今までよりずっと広い世界で、たくさんの⼈と交流したり話を聞いたりする機会が増えることが楽しみです。