いろんな分野を学ぶから専門性も深くなる
入学前からずっとファッションが好きでした。進学先を選ぶときは、ファッション系の専門学校も視野に入れていたんですが、明星デザインの説明会で「今の社会では、一つの分野に特化するより総合的なデザイナーが求められているよ」というお話を聞いて。確かにいろんな分野のデザインが学べることは強みになるな、と感じたので入学を決めました。
入学後は、ファッションの授業を中心に、インテリアの授業も選択しました。ショーウィンドウの空間演出も勉強したかったので。学んだ知識をいかせた「ファッションデザインC」が楽しかった。架空ブランドを立ち上げるという授業です。もちろん明星デザインですから、ピンクを使ってフリフリをつけておしまいってわけにはいかないですよ。実際にあるショップに行って、生地はどんなものを使っているか、価格設定はどれくらいか、などリサーチをしたうえで、自分のブランドを考える。機能性を考えたり、流行も考えたりして、カタログをつくるんです。私が提案したのは、1着を3通りに着こなせる架空ブランド「The Three Face」。最後はコンセプトを伝えるプレゼンテーションをして。この授業では、自分でも生き生きしていたなって思います。
デザインって、問題解決の仕組みづくり
就職はファストファッションを扱うアパレル企業に決まりました。最先端なデザイン性にひかれて、ずっと好きだったブランドです。最初は販売職からで、店頭に立って接客します。そこからいろいろな役割に分かれていくんですが、今、その中では人事に興味を持ち始めていて……、企画部じゃなくって「人事部」です(笑)。
学生生活ではSA(Students Assistant)として、後輩の授業に参加してお手伝いする機会が多かったんです。とくに企画表現演習は授業の内容が濃くて、学生の全員がついてこられるばかりじゃなくて、そういう学生にアドバイスするんです。「私はここで失敗したよ」と教えてあげたり、「今の話、どう思った?」って意見を言いやすい雰囲気をつくったり。私自身も、一度学んだことを復習できるのでいい勉強になりました。それで、人材育成や教育にも興味が出てきてしまって、好きな洋服に関わりながらそういう経験ができるなら、人事部でやってみようかなって。
アパレル業界では、若い人の離職率の高さがちょっと問題になっているんですよ。どうして辞めちゃうのか、そういう問題を解決するためのデザインをやってみたい。デザインというのは問題解決、本来はそういう意味だと明星デザインで学んだので。私も、社会をより良くするための仕組みを考えることがデザインだって、考えるようになったんです。
応用力をファッションで発揮する
解決につなげるためには、どういう問題が潜んでいるのか良く知らなければいけないと思います。この4年間の授業で、まず調査や分析を徹底的にやる、という姿勢が身にしみつきました。今、内定後のアルバイトでお店に入っていて、そこでもお客さんの反応を聞いて、こんな機能を追加したらいいのでは? と、さっそく社に提案してみました。問題を発見して、それをファッションの形や機能で解決につなげる、そういう応用ができる手ごたえを感じます。
今の時代、考えたことを発信する力が非常に重要だとも感じていて、その点でも、明星デザインは、文章力や対話力、プレゼンテーション力を伸ばすことに力を入れているので、ここで学んで良かったなと思っています。どの授業も少人数制で、一人ひとり、密に指導してもらえて、基礎から学べたのも良かった。これからどんな応用を求められても、土台がしっかりしていれば安心です。