地域に密着した会社で、
暮らしを豊かにする「感動」で貢献する
株式会社拓匠開発
齋藤瀬南さん
(ブランド戦略部クリエイティブデザイン課リノベ事業部担当)
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湯浅里実さん
(執行役員・CBO・ブランド戦略部 部⻑・兼 CPO 兼 Goodies 株式会社 取締役社⻑)
千葉市に本社を置く拓匠開発は、宅地分譲、新築住宅やリノベーションの設計・デザイン・施工を中心に、グループ会社ではベーカリー、飲食店の運営をするなど、地域に密着した総合的なまちづくりに取り組む会社です。「本能に、感動を。」を経営理念とし、その人本来の力を引き出す社風からは、グッドデザイン賞に輝く数多くのプロジェクトが生まれています。2019年の入社以来4年間、リノベーションの領域で活躍してきた齋藤瀬南さんは、この地域や職場、仕事にどんな未来を描いているのか、上司である湯浅里実さんと一緒に語り合ってもらいます。
人を中心に。愛あふれる仕事の場
齋藤 私が拓匠開発を知ったきっかけは、東京ビッグサイトで行われた合同説明会でした。もう帰ろうかなってタイミングで、「どうぞ休んでいってください」と声をかけられて。見ると本当にゆったり休めそうなソファがあったので、思わず座ってしまいました(笑)。ほとんどの企業が、簡単な事務机とパイプ椅子でスーツ姿の社員が説明しているなか、こんな面白い会社があるんだな、と思いました。
興味を持って後日会社説明会に参加したところ、社長の「人が大切、愛が大切だよ」というお話が私の心にぐっとささりました。明星デザインでは、人を中心にしてモノやコトをつなぐデザインを学びます。この会社なら、私が大学で勉強したことが活かせそうだ、と思い、入社を希望しました。
湯浅 そうですね、「人」が中心。人をすごく大切にする会社です。分譲地をつくっていても、そこに住まう人たちが自然に集まるようなコミュニティの形成をいちばんに考える。それは社内も同じで、社員どうしのコミュニケーションが生まれるきっかけを、意識的にたくさんつくるようにしています。拓匠開発には、困ったときは自然に誰かが助けてくれるようなカルチャーがありますね。
創業からずっと千葉市に本社をかまえてきたため、地元を盛り上げたいという思いも強く、地域の皆さまに感動を与える企業を目指して活動しています。
齋藤 入社2年目までは実家から片道2時間かけて通勤していましたが、2年前、千葉市内に引っ越しました。私もこの街を好きになりたいし、第二の故郷のように、帰ってきたときに落ち着けるような場所にしたくて。住むことで土地勘がつかめたのは大きいですね。仕事もやりやすくなって、仕事が充実するからプライベートも楽しくなって、すごくいいサイクルになりました。自分の仕事の一つひとつが、みんなに「本能に、感動を。」与える貢献になっていけばいいな、と。
時代の要請に応える、リノベーションの魅力
湯浅 弊社はもともと土木の会社で、完成宅地卸の事業からスタートしています。2代目の今の社長に代わってからは、注文建築やリノベーション事業、地域のブランディングなども行って、総合的なまちづくりをしていこうという方針になりました。そのときにブランド戦略部が創設され、私はその立ち上げメンバーの一人です。クリエイティブ部門も内製化を進め、ウェブデザイナーやグラフィックデザイナー、カメラマンなどを含めて、現在では14名が所属する部署となっています。
齋藤 私はその部署のリノベーションに特化したディレクターとして、ホームページやSNSなどを運用して広告を作成し、いただいた反響をもとにマーケティングやブランディングをしていくことが主な業務です。
湯浅 私は採用も担当していますが、まず本人のやりたいことや夢を聞いて、できるだけそれに沿うようにと考えて、配属を決めています。瀬南もそうでしたね。
齋藤 はい。大学では建築の授業も履修しました。その先生がリノベーションを専門としている方で「無いものから生み出すのも大切だけど、これからはあるものに新しい価値を付与していくことも大事」と話されていて、リノベーションに魅力を感じるようになりました。3年生で専攻したインテリアの授業では、マンションのリノベーションプランを計画するという課題にも取り組みましたが、プランだけではぜんぜん物足りなくて、建築模型まで作りました。こだわりの強い学生でした(笑)
湯浅 それで、入社1年目はリノベーション事業部に加わってもらいました。施工段階から現場を見て基礎知識をつけてもらい、そこからブランド戦略部でリノベーション物件を担当してもらうことにしました。今まで一緒に仕事して、「やったー!」ってハイタッチしたこと、何回かあるよね。
齋藤 販売が長期化してしまっている物件をどう売ろうか、数字から分析して、何が間違っていたかロジカルに考えて、現地にも行って、ここに魅力があるのに伝えきれていないねって修正して、それで「購入してもらえました」ってなったときは……
湯浅 「よっしゃー!」だよね(笑)
齋藤 「よっしゃー!」です(笑)
目標は一人前のディレクターになること。夢はさらにその先へ
湯浅 私はよく「右脳と左脳を両方使いなさい」と、部署のみんなに言っています。事実を数値化したデータから読み解くことと、自分が現地に行って感じたことを掛け合わせて答えを導き出す。誰に対して、何をメッセージするのか、それをしっかりと順序だてて整理して、最後はきれいにアウトプットする。瀬南は今、その経験をどんどん積んでいっているところですね。
齋藤 調査して分析して、そこから発想する、というやり方は、大学で学んできたことなので、ここでの考え方もスムーズに入ってきました。ただ、大学は理想に向かってこだわることができたけど、リアルではできることとできないことがあります。新しいアイデアやシステムを考えるより、もっと根本のところに目を向けると気づくことがあって、たとえば広告の文言を少し変えるだけで、結果がガラリと変わることもあります。
湯浅 瀬南は考え方が柔軟で、物事を大きく俯瞰して見ることができるんです。そのあたりに大学での学びがでているのかな。「仕組みがデザインだ」みたいなこともよく言ってるよね?
齋藤 そうです。
湯浅 グラフィックはデザイナーがすること、というふうに仕事を分断せずに、全体をみて、どういう仕組みにしていくのがいいか、と考えるんですよね。それが他のデザイナーに良い影響を与えることもあって、シナジー効果が生まれる。
ブランド戦略部には多様な人材がいて、もう大変ですよ。みんなそれぞれに情熱があって考え方がある。だからこそ、同じ方向を向くのが大事です。あとはもう、若い人たちにはどんどんチャレンジして失敗して、そこから学んで、を繰り返してほしいです。
齋藤 ここはやりたいことができる会社です。提案したことが絶対に通る、というわけではなくて、プロセスをしっかり準備して提案すれば、それを聞いてもらえる環境にあります。私は今、会社をより良くするために自分は何ができるかを考えて、毎日小さなチャレンジをしているって感じです。目標は一人前のディレクターになること、ですね。
湯浅 コロナ禍では、採用活動もオンラインになっていきました。結果的にそれが幸いして、全国から、弊社の経営理念と活動に共感してくれる学生さんたちが会社説明会に参加してくれるようになりました。この3,4年間で全国各地から入社してきた社員が増え、社内に新しい風が吹いて新しいものを生み出す機運が高まっています。
企画系や総合職に興味を持って来てくださる学生さんが多いですが、企画のアイデア出しなんて千本ノックのようなもの。本当に千本出して一本通るか、くらい。そういう産みの苦しみや努力をして、形になったとときの達成感って絶対に頑張った人しか味わえないものなので、瀬南にもいつかそういう成功体験をしてもらいたいな、と思います。
齋藤 アイデアとして温めているのは、社宅のデザインです。拓匠ならではの社宅があるといいかなって。マンション一棟をフルリノベーションしてみたいです。
湯浅 いいね。それには人を巻き込む力も必要。ひとりでできることは小さいけれど、チームを組んでそれぞれの力を生かしていくと、大きなエネルギーが生まれます。そのためには人間力を磨いて、もっともっと成長していってくれるのを楽しみにしています。