社会で活躍するOB・OGインタヴュー②:中美聡さん(株式会社スコープ)

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2021.08.01

社会で活躍するOB・OGインタヴュー②:中美聡さん(株式会社スコープ)

「社会で活躍するOB・OGインタヴュー」では、卒業した先輩達が、社会の中で、明星デザインでの学びをどのように活かしているのか?そして、周りの人たちから、どのように見られているのか?その様子を紹介していきます。

大学で培った「問題解決のデザイン力」を、広告業界で発揮する

 

株式会社スコープ

 

中美聡さん(コミュニケーションデザイン本部)

中田雅巳さん(コミュニケーションデザイン本部 部長)

奥田知美さん(総務部)

 

広告代理店として、商業施設のセールス・プロモーションなどを展開する株式会社スコープは、2018年、従来の枠にとどまらず、常に新しいコンテンツや領域に挑戦する企業であるために「企画集団」であることを宣言しています。同年入社した明星デザイン卒業生の中美聡さんはコミュニケーションデザイン本部に在籍し、商業施設の集客イベントや販売促進企画に携わってきました。中さんは今、仕事にやりがいを感じていると言います。心がワクワクして、人をひきつける企画のアイデアはどこからわいてくるのか。中さんの直属の上司である中田雅巳さん、採用担当の奥田知美さんを交えて、語っていただきます。

※中田雅巳さんは遠隔会議システムにてお話しいただきました。

 

デザインもプランニングも、両方できるクリエイティビティ

 

 私は入社して4年目になりますが、ずっとコミュニケーションデザイン本部で、商業施設のイベントやメーカーの販売促進などを担当してきました。1年目から継続しているのはプロバスケットボールチームのコンサルティングで、イベントやファンクラブ運営の企画やアイデアを提案しています。

中田 中さんは入社時から、プロジェクトチーム全体を見て、精力的に自分の役割を把握して動いてくれています。われわれは企画の部署なので、会議ではみんなのアイデアを集めて戦略を練ります。中さんは会議のセッティングや議事録といった煩雑な業務もサッとこなして、仕事を円滑に進めるための役割を担ってくれる。なので、われわれはつい甘えてしまうところがあって、そのくらいみんな中さんを信頼しています。

奥田 私は中さんが学生のOB訪問を受ける際に同席することがありますが、とても冷静に状況に対応できている印象を受けます。自分の考えていることや思っていることを、落ち着いて的確に説明できるんですよね。

中田 そうですね、中さんが会議で提案するアイデアには説得力がある。こういう裏付けがあるからこうなっている、あるいはこうしたい、と、しっかり説明できる。われわれの部署は出身の大学や学科がいろいろで、みんなそれぞれ違ったバックボーンがあります。だからこそ、そこで生まれる相乗効果が面白い。

奥田 中さんはデザイン学部でありながら企画も学んできたというところが、今の仕事に合致しているし、強みにもなっていると思います。

 明星大学のデザイン学部は、企画力と表現力が学びの軸になっています。私はグラフィックデザインとメディアデザインを専攻していて、自分で制作した経験があるので、企画がどのように実現できるか、具体的な見通しも立てやすい、ということもあります。表現方法や見せ方も大学でたくさん学んだので、知識という面でも、アイデアの幅が広げられているかなと感じています。

奥田 「クリエイティブって何だろう」ということは、採用担当の会議でも毎回議論になっています。これまで弊社ではデザイナーとプランナーは別枠で採用していましたが、デザインもプランニングもできる中さんのような人材を採用したいということもあって、今年度は、クリエイティブ職という枠で幅広く募集することにしました。ゆくゆくはみんなに、そう成長してほしいです。

 

集客力を高めたイベントの企画で受賞

 

中田 私は中さんの大学時代を詳しく聞いてはいませんが、中さんのアイデアは人の深層心理に触れるところから出発して、それをうまくブレイクスルーさせている。人を共感させる物語のつくり方は、私も見習わなきゃと感心します。そういうところはひょっとすると、大学で学んできたことかな、と感じています。

 そうですね、とくに「企画表現演習」という授業が私の土台になっている感覚があります。企画の規模感を変えて考えてみるとか、目の前の課題に別の社会問題を掛け合わせてみるとか、いろんな見方ができています。商業施設のイベント企画では、周辺環境、そこに住む人たちや利用する人たちのことなどもリサーチします。企画表現演習で培った分析力、発想力、統合力、美的構成力、コミュニケーション力、プレゼンテーション力という6つの力が、今の仕事の基礎になっていると思います。

中田 大学で相当鍛えられてきたのでしょう。中さんにクライアントへのプレゼンテーションを任せることもありますが、いや、ほんとに肝っ玉が据わっているというか。日本を代表する大手企業を相手にしても、しっかりと自分の意見を自分の言葉で説明ができる。企画の仕事は自分たちの思いを納得してもらうこと。そこには万能の方程式はなく経験が必要です。これからもどんどんチャレンジしていってほしい。

 全国約20カ所の商業施設でゴールデンウィークに開催した「スイッチビッグウォール」のアイデア提案が、私の大きな経験になりました。家族と一緒に来る子どもたちに遊びの場を提供する企画で、何かスイッチがあると押してみたくなる子ども心から発想しました。普段は触れないスイッチを、押して楽しむゲーム仕立ての仕掛けをつくりました。

中田 開店直後から閉店まで、ずっと子どもたちが遊んでいる状態でしたね。非常に利用率が高く、お客様の滞在時間や購入も増えたという成果が評価されて、日本プロモーショナルマーケティング協会主催の「プランニングソリューションアウォード」を受賞しました。

 その経験から、「普段できないことができる」というのが、企画を考える時の私のアイデアのひとつになりました。ゲーム仕立てにするプログラミングや最終的な形づくりは他部署と連携しました。自分がわからないことでも、たくさんの人と協力しながらつくっていくということができるようになったのかな、とも思っています。

 

明星デザインで学んだ「問題解決のデザイン」を生かしきる

 

 私がスコープを志望したのは、社会課題にアプローチする広告代理店だったからです。社内では今、自主的なチームが立ち上がって、SDG’sを始めとした課題に取り組むプロジェクトも動き始めているので、今後はそういうところにも積極的に参加していきたいな、と思っています。

中田 広告が担うことも変化してきています。ほとんどのものがネットで入手できる時代に、われわれが扱うのはリアルな「場」で、そこで何ができるのか。人が集まることや体験から生まれる価値をどうつくっていくのか。中さんたちのように、生まれた時からネット環境がある世代にしかできない発想がまだまだあると思います。そういう感性を求めていきたい。

奥田 とくに私たちの会社は消費者にかなり近いところの仕事ですから、一消費者としての気持ちも大切にしたいですね。

 今はSNS中心の情報収集になってしまいましたが、コロナ禍以前には、休みの日に展示を見に行ったり、話題のお店に足を運んだりしていました。遊びの中でも、何か思いつく。仕事がプライベートにも自然に入り込んでいて、私自身はそれもすごく楽しんでいます。

奥田 仕事が楽しいのは良いですね。大学で学んだことが生かされている実感が持てているのは、すごく良いことだと思います。

 就職前は責任の重さがすごく不安でした。今はやりがいも感じています。アイデア出しは大学でもやっていましたが、仕事とのいちばん大きな違いは、現実性と結果が求められること。でも、そこが仕事の良いところでもあって、自分がつくったものが誰かに届く、誰かの思い出になる。企画の仕事が楽しいって思うようになりました。

奥田 仕事をしていくにあたり、「自分で考える作業」はすごく重要だと考えています。それが出来ないと他人が考えた指示に従うしかありません。そうすると、仕事がつらい、つまらないと感じてしまいます。中さんは、大学で課題ごとに自分の頭で考え、最後は形にして出しきっていたと話してくれましたが、それ、すごく大事だと思います。仕事でも自分だったらこう考える、そして考えたことをめげないで発信し続けることが、仕事のモチベーションにつながると思います。

中田 広告業界に限らず、何が面白いんだろう、何がユニークなんだろう、と、感度を上げて意識的に日常を見るだけでも、世の中が違って見えてくる。そこで見つけたものの何が面白いのか、自分で分解して分析することを習慣づけていくと、すごく面白い視点や発想が生まれると思います。

 私も、大学時代にもっといろんなものを見ておけばよかったと思います。展示や映画や、旅行に行くとか、在学中は授業で手いっぱいで、とても余裕なかったけど……。でも、明星デザインで学べて良かった。私は今、それをダイレクトに仕事に生かせていますが、「問題解決のデザイン」って、普通に人としての基礎ともなる大事な軸なのかなと思います。

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