みんなで「デザイン」をやっていく
エンターテインメントの分野でものづくりがしたいと思って、就職は大手のゲーム会社に決まりました。
ものづくりといっても、私には造形としてのデザインの才能はないと思っています。明星デザインでも、周囲には私よりずっとセンスのある子がいたし、これから世の中に出て仮に私が何かつくっても、自分の理想と自分の実力のギャップばかりが目についてイヤになっちゃうと思う。でも、素敵だな、とか、すごいな、と思うものをつくる人を支えたり助けたりすることなら私にもできます。だから私は総合職での入社になりますが、商品企画部に希望を出しました。
同期入社が決まった人たちとは、お話をする機会がたくさんあります。クリエイター、プランナー、デザイナー、いろいろな志望の人と話をしますが、みんな、こんなことをやりたい、とか、こんなところを変えてみたい、とか、とても前向きです。そんなとき、私が明星デザインで学んできた考え方をもとに意見を言うと、賛同してくれる人がたくさんいるんです。それいいね、とか、だったらこんな提案ができるね、とか。立場や視点の違う人たちと意見を出し合って、お互い刺激を受けて、それでみんなで一つのものをつくっていく。ああ、こういうことが明星デザインのいう「デザイン」なんだなって。これからみんなと一緒にその「デザイン」をやっていけるんだと思うと、もう本当に、今から入社するのがすごく楽しみなんです。
「プロセスが好きなんだ」と、気づく
私は、明星デザインではあまり良い生徒ではありませんでした。「デザイン」の本当の意味に気がついたのもけっこうあとになってからです。
大学受験のときも、ここならいろいろなことを勉強できそうだし、学生のうちに視野を広げるのも悪くないかな、くらいの気持ちで明星デザインに入学しました。だから入学後すぐ始まった企画表現演習科目では、文章力を鍛えることばかりやって、こんなこと何の役に立つんだろうと思っていました。
転機になったのは、3年次の企画表現5でした。課題は大学の地元、日野市の活性化の提案。調査から始まって、実現可能な企画を立ててプレゼンテーションをするところまで、全部自分たちでやるので、それまで学んだスキルや思考法をフルに使いました。5人のグループワークで大変なこともたくさんありましたが、やり終えて、今まで味わったことのない達成感がありました。
その後、ある会社の記念商品のデザイン公募に応募したところ、採用されたことがありました。その工場で製造工程を見学したのと、実際に売り場に立って、私がデザインした商品の感想をお客様から直接聞くことができたのが、大きな経験になりました。
そのとき初めて、将来は、ものづくりのプロセスに関わりたい、と思うようになりました。
明星デザインなら、やりたいことがきっと見つかる
高校生のときは、何となく子どもや地域に関わる仕事がしたいと思っていました。そうした漠然とした興味、明星デザインでの学び、これから私が就く仕事、が、今思うとみんなつながっていると感じます。
だから、もし、今、高校生で、デザインに直接興味がなくて進路に迷っていても、明星デザインに来てみればいいんじゃないかなって思います。自分の学びたいこと、やりたいことを、ここで見つければいいんじゃないかな、って。