明星デザインで培う力はどこでも応用できる

僕は中学、高校とバスケットボールに打ち込んでいて、進学の準備をするのが遅かったんです。でも大学では自分が好きだと思ったことを学びたい。それで受験にデッサンのない明星デザインに出会いました。入学する前は、デザインは絵を描くことの延長線上でその派生だろうと思っていました。だから1年生の最初に全員が受ける「デザインとは?」という授業で衝撃を受けました。デザインの本質って、ものごとをより良くしよう、仕組みからいろいろ考えて変えていこう、とすること。それをデザインと呼ぶんだ、と。あっ、全然違う、デザインってすごく面白い、と思ったんですよね。 明星デザインの代名詞は「デザイン=企画×表現」。1年生から学んできたことを学外で試してみたい、という気持ちもあって、僕は2年生の後半から半年くらい、他大学が主催していたクリエイティブ系の学生団体に参加していました。ミーティングでは、議事の進め方、整理して発言するとか、その力が出せました。足し算引き算の発想とか逆転の発想とか、思考法の勉強もしていたので、アイディアが煮詰まったときも打開できて、勉強してきたことが役立つな、という実感が持てました。

オーダーメイドで学べる専門分野

企画力はしっかり身につきつつあると思えた反面、表現力のほうは、これだ、と自信を持って言える部分がなくて……。でもやはり明星デザインで学んだからには、将来は「企画×表現」で仕事がしたい。そう考えたとき、僕にとって伸ばせる表現スキルが、webデザインなどのプログラミングでした。 僕がプログラミングにはじめて触れたのは、1年のときの「メディアデザイン」の体験版授業です。明星デザインは、6つのデザイン分野の授業を自由に組み合わせて受けることができるので、入学してから、自分に向いていることや得意なことを見極められる。僕の場合、プログラミングが面白い、と思ったので、それに関連した授業を履修していきました。 授業では足りない部分は独学で補って、最終的に、卒業研究では「学生コミュニティを再構築するためのサービスの提案」として、アプリケーションの提案をしました。僕らの学年は、運悪くコロナ禍にあってしまって、3年次はほとんど通学がなかったんです。それまで対面でできていた活動も、いきなりすべてオンラインに移行したわけです。それにつれて出てきた問題点を、学生にアンケートやインタビューを行って調査して、ITの力での解決策を探りました。

「企画×表現」のデザインの力を生かしたい

就職活動も思い切ってIT系1本に絞って準備をしました。その結果、web、アプリケーションからシステム開発まで、幅広く事業展開をしている会社に内定をいただきました。プログラマーとして入社しますが、同期入社は情報系の学部を卒業した人がほとんどです。デザイン学部出身の僕が採用されたのは、明星デザインで学んだ企画力が評価していただけたのかな、と思っています。 もちろんITのスキルでは、専門に勉強をしてきた人たちに到底適わないかもしれない。でも、個人的には、今後ますますITが社会のコミュニケーションの基盤として活用されていくと思います。そこでは、どんなサービスを提供すれば社会の課題の解決につなげることができるか、「デザイン」の力がきっと必要となってくると思います。その視点を身につける明星デザインで学べたことは、本当に良かった。
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