学生と未来

より良い地域にするために
 大きな課題も小さな課題も
仕組みづくりで変えていく

原島祥太
東大和市役所

デザインはまちづくりにも役立つ?

小さいころ、よくハイキングに行っていた山にゴミが散乱していたり、友だちが住んでいた地域には危険な道路や川があったり、そういうのを見て「なんとかしたいよね」、「じゃあ公務員になったらいいじゃない」と家族で会話したことがずっと頭にありました。
高校の進路指導では、美術の成績が良かったことからデザイン系をすすめられて悩んでいたところ、明星大学に行っていた先輩が、新しくできるというデザイン学部のパンフレットを持ってきてくれたんです。それを見ると「総合力を鍛える」とあり、その力が役に立つ職種に「公務員」と書いてある。本当か? デザインだろ? と思って、とにかく説明会に行ってみたら、まちづくりや都市計画にはデザインの力が求められ、この学部のデザインはまさにそういう力を養うためのものだということで、受験を決めました。
実際入学してみると、ここで学ぶデザインは、私がイメージしていたヴィジュアルだけのデザインとはまったく違っていました。調査し、分析し、問題解決の方法を考えて、企画し、提案する。それが明星デザインで学ぶデザインです。
地域に密着した実践的な授業もたくさんありました。私は将来の方向性が固まっていたので、意識して、地域振興や活性化に関わる授業やコースを選択して、課題もそれにそってやっていきました。

つくれる力が武器になる

まちづくりは長期的で大掛かりな計画なので、役所に入ってからでないとできないことも多い。何か学生のうちから外部として関われることはないかと考えて、3年生の後期あたりからはシティプロモーションに取り組んできました。ブランディングをして認知度を上げることは、より良い地域をつくることにつながります。
今、全国の自治体がこぞってプロモーション映像を製作していますが、見てみると効果的なものとそうでないものがあります。卒業研究ではその分析をしました。研究成果をもとに効果的な映像のつくり方をまとめたガイドブックは、東京の多摩地区のある市の職員研修会でプレゼンテーションさせていただき、採用もされました。
そのときは、それまで企画表現演習科目で学んだこと、すべてを投入しました。参考映像も自作したので、メディアやグラフィックのコースで得た知識も全部使いました。それまでは、美的構成力や制作ツールが使えなくても困らないと思っていたけど、ぜんぜん違って、それどころか授業だけでは足りなくて独学で習得したものもあります。何か提案をするときは、空論だけじゃ伝わらなくて、「こんなのをつくってみました」って実物を提示すると、説得力がすごく高くなる。そういうものをつくれるというのは武器になると思いました。

仕組みづくりこそデザインだ!

約50倍の難関を突破して、4月からは東京多摩地区の市役所での勤務が始まります。
公務員なんてつまらない仕事だという人もいますが、それは違います。自分の企画を提案してそれが通れば、すごくやりがいを感じる仕事だと思います。
これからは市役所内部の職員として、仕組みづくりをしていきたいと思っています。それは、まちづくりとして市民のみなさんに見えるような仕組みだけに限らなくて、市役所内の仕組みとか、なんなら日々の業務の効率化だって、明星デザインで学んだ私にとっては、デザインという行為のひとつなんです。

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